教授挨拶

このたび、2026年7月1日付で群馬大学大学院医学系研究科病理診断学分野の教授を拝命致しました倉田盛人(もりと)と申します。
岩手県盛岡市に生まれ、その後は父の転勤に伴い埼玉県川越市で育ちました。1997年に福井医科大学(現・福井大学)医学部に入学し、在学中に研究の魅力に触れたことを契機に、基礎研究の道へ進みました。東京医科歯科大学(現・東京科学大学)大学院に進学後は、病理診断に携わる中で形態学的解析の重要性とがん研究の意義を強く認識し、診断と研究の両立を志して歩んでまいりました。
私は造血器腫瘍、特に白血病の病態解明と治療抵抗性機序に興味を持っています。遺伝子診断が進歩する一方で、形態学的所見が果たす役割には、なお多くの課題が残されています。形態像と腫瘍細胞を取り巻く微小環境因子を統合し、遺伝子情報のみでは捉えきれない病態の複雑性を明らかにするとともに、治療感受性の高い亜群を同定し得る新たな疾患概念の確立を目指しております。腫瘍微小環境の理解は、新規治療戦略の創出にもつながる重要なテーマであると考えております。
病理診断は医療の根幹を支える基盤でありますが、その質の担保のためには、若手の教育なくして将来はありません。本分野がこれまで築いてきた伝統を継承しつつ、病理医・病理研究者の育成に力を注ぎ、地域医療への貢献と国際的発信を両立できる教室づくりに努めてまいります。
皆様のご指導、ご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
群馬大学大学院医学系研究科 病理診断学 教授
倉田 盛人
教室沿革
病理診断学分野(旧・病理学第二講座)は、1954年に故・大根田玄寿名誉教授が慶應義塾大学より赴任し、開設されました。教室の研究は、脳血管障害をはじめとする血管病理を中心に展開され、多くの優れた病理学者を輩出しました。1980年には吉田洋二助教授が山梨医科大学教授として転出し、その後、同大学学長に就任されました。また、鈴木慶二講師は群馬大学医療短期大学(現・群馬医療福祉大学)教授として転出しました。
1981年に大根田教授の定年退官に伴い、第2代教授として東京大学より町並陸生教授が着任しました。以後、骨・軟部腫瘍の病理および肝疾患、特に肝細胞癌の病理を研究の柱としました。1989年には国立がんセンター病理部より中島孝教授が第3代教授として着任し、腫瘍病理学を中心に幅広い研究を推進しました。1997年には福田利夫助教授が群馬大学保健学研究科へ転出し、2003年に教授へ昇任しました。2005年には小山徹也助教授が獨協医科大学医学部病理学教授として転出しました。2008年に中島教授が静岡県立がんセンターへ転出し、2009年には第4代教授として小山徹也教授が獨協医科大学より着任しました。2016年には瀬川篤記助教が群馬県立県民健康科学大学教授として転出しました。2026年3月に小山徹也教授が定年退官し、同年7月、第5代教授として東京科学大学(旧・東京医科歯科大学)より倉田盛人教授が着任いたしました。
